転籍届の書き方【本籍地の変更となる手続き】

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■トピックス
転籍届とは
転籍届の書き方と記入例
転籍届が受理されたあとの戸籍に転籍前の戸籍から書きうつされるものは
転籍届によって本籍地が変更された後の戸籍謄本(全部事項証明)の例

■転籍届とは


転籍届とは戸籍の筆頭者とその家族が本籍地を変更するための
戸籍上の届出となります。
これは本籍地が遠くにあると戸籍謄本を取得する際に
不便である等の事情がある場合に便利な手続きとなります。

同じ市区町村内に本籍地を変更する転籍を管内転籍。
違う市区町村へ本籍地を変更する転籍を管外転籍といいます。

管内転籍の場合、戸籍謄本への記載は本籍地のところと
転籍の日付の記載が変更になるだけとなります。
管外転籍の場合、これまでの戸籍は除籍となり、新しい本籍が作られます。

本籍地の変更先は日本であればどこでも構いません。
皇居に本籍地を変更している方は多いと聞きますし。
また住所と本籍は別物なので、例えば神奈川県横浜市に住民票がある方が、
兵庫県神戸市に本籍地を変更しても全然大丈夫です。

※注意:「転出届・転入届・転居届」の住民票の異動手続きをしても
自動的には本籍地は変更となりません。
住民票を異動した際に本籍地も変更したい場合は、
住民票の手続きとは別に、この転籍届を届出る
必要があります。

※筆頭者の本籍地は変更しないが、筆頭者の成人した子だけが、
新しい戸籍を作る本籍地の変更の手続きは転籍届ではなく
分籍届となります
分籍届の書き方【成人した子が新しい戸籍を作る届出です】

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■転籍届の書き方と記入例

【転籍届の書き方】

日付と自治体の長欄:
届出年月日を書きます。
窓口に持っていったときに記入しても大丈夫です。
届出する自治体の長に対して届出ることとなるので、
「長殿」の前に届出先の市区町村名も書きます。

本籍欄:
現在の本籍を、戸籍謄本(全部事項証明)の通りに書き入れます。
つまり本籍地を変更する前の本籍を書き入れます。

新しい本籍欄:
変更した後の新しい本籍地を書き入れます。
※住所地と本籍は違います。
本籍地の表記方法は「地番で表記する方法」と「住居表示で表記する方法」
の2つがあり、各役所によってその表記方法が違ってきます。
本籍として書き込めるかどうか事前に戸籍係にご相談ください。
→参考:本籍地とは【住所地との違いや新しい本籍の書き方について】

おなじ戸籍にある人欄:                                
本籍地の変更の前の戸籍に載っている家族を全員書き入れます。
一番上に筆頭者の氏名・住民票の住所・世帯主の氏名
次に配偶者の氏名・住民票の住所・世帯主の氏名
次にその夫婦の子供たちの氏名・住民票の氏名・世帯主の氏名
(※筆頭者以外の家族の方の住所・世帯主の氏名が
同じ場合は「同上」でかまいません。)

その他欄:
ここは各人の事情によって書き込むことが千差万別です。
例えば本籍のない役所へ転籍届を届出る場合は戸籍謄本の添付た必要なので
「戸籍謄本添付」という書き方になります。
その他の欄については、事前に戸籍の窓口にご相談するか、
転籍届を持っていったときに、窓口と相談しながら書き込みましょう。

届出人署名押印・生年月日欄:
@筆頭者である人が結婚していない場合は独身である場合は、
筆頭者の方だけが届出人となります。
A筆頭者である人が結婚している場合は、筆頭者の方と
配偶者の方の2名が届出人です。
B筆頭者の人が結婚していたけど、配偶者の方が死亡していた場合は、
筆頭者の方だけが届出人となります。

上記の届出人はそれぞれ署名押印し、生年月日を書きます。
印鑑の印影は、夫婦それぞれ違うものを押印してください。
(※印鑑は認め印でかまいません。)
なお、夫婦がこの転籍届で本籍地を変更しようとする場合は
どちらか一方の署名押印では届出できないことに注意してください。

夫婦の場合の転籍届の届出人は筆頭者とその配偶者の2名です。
夫婦のどちらか一方だけが転籍することはできませんので注意してください。

※もちろんどちらか一方が自分で勝手にもう一方の名前を書き、
印鑑を押して届出ることは犯罪ですので、くれぐれもやめましょう。


■転籍届の用紙の下部の「届出人」のところについて
→ここは本籍地を変更する筆頭者が十五歳未満のときに書き込むことになります。
ここの部分を書き込むことになるのは、とても稀なケースです。

例えば

・婚姻関係にない外国人の母と父がおり、父が胎児認知届だけ届け出たのち、
日本人の子供の出生届を母単独で届出た場合に、
子供を筆頭者とする子供だけの戸籍ができます。

・父母等が不明…つまり捨て子等の理由から、市区町村が出生届を届出た場合、
子供を筆頭者とする子供だけの戸籍ができます。

こういった場合にこの転籍届の用紙の下部の「届出人」のところに記入することになります。

資格の欄:
親権者が届け出る場合は親権者(父、養父、母、養母)か、未成年後見人のいずれか
当てはまるものにチェック(レ)を入れます。

住所の欄:
届出人の現在の住民票に書かれている住所地を書きます。

本籍の欄:
届出人の現在の戸籍謄本に書かれている本籍と筆頭者の氏名を書きます。

署名押印・生年月日の欄:

必ず届出人本人が署名押印します。
印鑑は認印で大丈夫です。(※チャチハタ不可)
届出人の生年月日も書きます。

連絡先の欄:

連絡先を書きます。

【筆頭者が死亡していた場合の転籍届の書き方】
転籍届の届出人は上記の通り、筆頭者とその配偶者ですので、
筆頭者・その配偶者それぞれが署名押印することとなります。
しかし、筆頭者が死亡していた場合の届出人は
その配偶者のみとなります。

そして、配偶者のみで転籍しても、転籍先の戸籍の筆頭者は
死亡した筆頭者となります。
配偶者の方が筆頭者となるわけではありません。
ここに注意が必要です。

もし生存配偶者の方が筆頭者となる新戸籍を作りたい場合は
「復氏届」(このサイトの復氏届の書き方参照)という別の届出になります。
【転籍届の記入例】
※下記は夫婦とその間の子供の本籍地を変更するケースでの記入例です。


■転籍届の手続きの概要


【転籍届の届出人】
戸籍筆頭者およびその配偶者
※配偶者がいた場合、筆頭者のみを届出人として
本籍地の変更はできません。

【転籍届の届出先】
本籍のある市区町村役場。
または、転籍地の市区町村役場。
もしくは現住所地の市区町村役場。

【転籍届を提出する際の必要書類】
・転籍届 1通
(本籍以外の役所に届出る場合、
役所によっては「2通用意してください。」と言うところもあります。)

・戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
(ただし、同じ市区町村内で本籍地を変更する
転籍(管内転籍)の場合は、戸籍謄本はいりません。
また本籍以外の役所に届出る場合、役所によっては
「2通用意してください。」と言うところもあります。)

・印鑑
(認印で構いません。ただしシャチハタはダメです。)

・窓口に来た人の免許証等の身分証明となるもの

【届出受付時間】

24時間365日
※ただし、日中に届け出た方がスムーズに処理されると思います。

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■転籍届が受理されたあとの戸籍に
転籍前の戸籍から書きうつされるものは



本来、本籍地を変更するための転籍届ではありますけど、
違う目的で届出されることもあります。

その最たる例が離婚歴のクリーニングです。

例えば離婚歴のある男性の戸籍には、その男性が筆頭者であった場合、
除籍という形で前の奥さんの名前が載っています。
これを管外転籍すれば、この男性の新しい戸籍には、
除籍された前の奥さんの名前は書きうつされないこととなっています。
(管外転籍とは、例えばA市からB町へ本籍地を変更すること。
つまり違う市区町村へ転籍することです。)

このような目的で転籍届が出されることもあります。

逆に、転籍届によっても、必ず新戸籍に書きうつされるものもあります。
例えば出生については新戸籍にも必ず書きうつすこととなっています。
(※この転籍先の新戸籍に書きうつすことを「移記」といいます。)

このように、転籍届(管外転籍)によって転籍先の新しい戸籍に移記される事項と
移記されない事項があります。

移記される事項が法令で列挙されていますので、ここではそれらを紹介します。

戸籍法施行規則(第39条)  
新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者については、
次の各号に掲げる事項で従前の戸籍に記載したものは、新戸籍又は他の戸籍にこれを記載しなければならない。
一  出生に関する事項
二  嫡出でない子について、認知に関する事項
三  養子について、現に養親子関係の継続するその養子縁組に関する事項
四  夫婦について、現に婚姻関係の継続するその婚姻に関する事項及び配偶者の国籍に関する事項
五  現に未成年者である者についての親権又は未成年者の後見に関する事項
六  推定相続人の廃除に関する事項でその取消しのないもの
七  日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項
八  名の変更に関する事項
九  性別の取扱いの変更に関する事項

本籍地の変更についての関連リンク
転籍届の他に、本籍地の変更となる要素を含む戸籍の届出についての関連リンクです。
本籍変更について

就籍届の書き方【戸籍のない者が新しい戸籍を作る届出です】


入籍届の書き方【様々な事例別に解説】


婚姻届の書き方【夫婦の新しい戸籍が作られる届出です】

転籍届と婚姻届を同時に出す場合について

転籍のメリットとデメリット【戸籍の視点から】



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■転籍届によって本籍地が変更された後の戸籍謄本(全部事項証明)の例

転籍届が受理された後の、新本籍地での戸籍への記載例は次の通りです。
※下記の例は、夫婦とその間の子供が転籍届によって本籍地を変更した後の戸籍の例となります。
戸籍事項欄には【転籍日】、【従前戸籍】の記載があります。
この従前戸籍を見れば、「変更前の本籍地はここだな」と前の本籍がわかるわけです。

                                     全部事項証明

本籍

氏名

青森県上北郡六戸町字国民町一丁目2番 

青森 ねぶた男

戸籍事項

   転籍



【転籍日】平成26年9月30日

【従前戸籍】青森県青森市自由町一丁目 111番

戸籍に記録されている者

【名】ねぶた男

【生年月日】平成2年1月11日 

【配偶者区分】 夫

【父】青森 喜三郎 

【母】青森 みひろ

【続柄】長男

身分事項

出生

婚姻

(※省略)                     

【婚姻日】平成23年7月7日

【配偶者氏名】八戸 りんご子

戸籍に記録されている者

【名】りんご子

【生年月日】平成2年2月22日 

【配偶者区分】 妻

【父】八戸 祭男 

【母】八戸 うみねこ

【続柄】長女

身分事項

出生

婚姻

(※省略)

【婚姻日】平成23年7月7日

【配偶者氏名】青森 ねぶた男

【従前戸籍】青森県八戸市正義町二丁目222番 八戸祭男

戸籍に記録されている者

【名】さくらんぼ

【生年月日】平成24年9月9日

【父】青森 ねぶた男

【母】青森 りんご子

【続柄】長女

身分事項

出生

【出生日】平成24年9月9日

【出生地】青森県青森市

【届出日】平成24年9月19日

【届出人】父

※転籍の場合、分籍や就籍のときと違って、「戸籍事項」のところに転籍のことが載り、
転籍日と従前戸籍のことが載ります。
ここを見るとどこからどこへ本籍地が変更されたのかがわかります。

※筆頭者であった者が死亡により除籍されたあとに管外転籍届が出された場合、
転籍先の戸籍には、除籍のマークが付いたままで、死亡した者の名が「戸籍に記録されている者」の欄に
移記されます。
戸籍は筆頭者である者が、一番はじめの「戸籍に記録されている者」欄に記載されることになっていることから
戸籍のシステムの面を考慮して、死亡して除籍された筆頭者の名前も、除籍マーク付きで
転籍後であっても「戸籍に記録されている者」の欄に移記することとなっています。
もちろん、筆頭者以外の者が死亡して除籍となったあと、転籍届が出されたとしても、
その者については転籍先の戸籍には移記されません。


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